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庭を格上げする「ガーデン家具の色選び」——失敗しないための美しい調和の法則

庭を格上げする「ガーデン家具の色選び」——失敗しないための美しい調和の法則

1. 庭の“完成度”を左右するのは、実は「色」

家づくりの打ち合わせをしているとき、私が一番後回しにしていたのが「庭の色」でした。
外構の石や植栽は決めたけれど、**ガーデン家具の色は「後で考えればいい」**と思っていたのです。

ところが、いざ引っ越して家具を置いた瞬間、違和感が走りました。
白い外壁とウッドデッキの間に、黒いプラスチックチェア。
まるでモノクロ写真に1枚だけ浮いたノイズのように見えたのです。

その時、私は気づきました。

家の中の色は計算するのに、なぜ庭の色は“なんとなく”で決めていたのか。

屋外空間も、色の選び方ひとつで「リゾート」にも「雑然」にも変わる。
庭を“もうひとつのリビング”にするためには、色の調和が欠かせません。


2. ガーデン家具の色選びでよくある3つの失敗

庭の家具を選ぶとき、多くの人が次の3つの罠にハマります。

① 「好きな色」だけで選んでしまう

店頭で見たときは素敵でも、屋外では光の加減でまったく印象が変わります。
例えば「真っ白」は光を強く反射しすぎて眩しく、「真っ黒」は熱を吸収して暑い。

② 家の外観とトーンが合っていない

モダンな黒外壁にナチュラルウッドの家具を置くと、質感がバラバラに見えることも。
色は単体ではなく、“家全体のトーン”の一部として考えるのが正解です。

③ クッションや小物との相性を考えていない

ファブリックやパラソルなど、あとから追加するアイテムとの統一感も大切。
家具本体をニュートラルにしておくと、差し色を入れやすくなります。


3. 「庭の系統別」に見るおすすめの色パターン

理想の庭を作るには、まず「どんな雰囲気を演出したいか」を決めるのが近道です。

■ ナチュラル・ボタニカル系

  • おすすめカラー: ベージュ、チークブラウン、グレージュ

  • 相性の良い素材: 天然木・人工ラタン

  • ポイント: 植物の緑と調和し、自然の延長のように見える。

■ モダン・スタイリッシュ系

  • おすすめカラー: チャコールグレー、マットブラック、ホワイト×グレー

  • 相性の良い素材: アルミ、スチール、セラミック天板

  • ポイント: 外壁やサッシとトーンを揃え、建築の一部のように見せる。

■ リゾート・ラグジュアリー系

  • おすすめカラー: サンドベージュ、アイボリー、ウォームグレー

  • 相性の良い素材: ラタン調×クッションファブリック

  • ポイント: クッションやパラソルでブルーやグリーンを差し色に。

■ 和モダン・落ち着き系

  • おすすめカラー: オリーブ、墨黒、ダークブラウン

  • 相性の良い素材: ウッド、アイアン、竹調樹脂

  • ポイント: 石畳や植栽と一体感を出す。


4. 「外壁」「デッキ」「植栽」との色バランスを考える

ガーデン家具の色は、単体で考えるのではなく、背景とのコントラストで決まります。
私は最終的に、次の3ステップで“正解の色”を見つけました。

ステップ①:外壁と床材の明度をチェック

  • 明るい外壁+明るいデッキ → 家具は中間色(グレージュ・ナチュラルウッド)で引き締める

  • 暗い外壁+暗い床 → 家具はベージュやライトグレーで抜け感を出す

ステップ②:植物の緑をどう見せたいかを考える

  • 緑を主役にしたい → 家具はアースカラーで控えめに

  • 家具を主役にしたい → 白系やウォームグレーで明るく映える演出に

ステップ③:昼と夜の見え方をシミュレーション

昼は太陽光で明るく、夜は照明で陰影が出ます。
照明下でも映えるように、光を吸いすぎないマット系カラーを選ぶのがポイント。


5. 私が最終的に選んだ「グレージュのガーデンソファ」

試行錯誤の末、私がたどり着いたのは「グレージュの人工ラタンソファ+ナチュラルウッドのローテーブル」。
この組み合わせは、外壁のホワイトとも植栽の緑とも喧嘩せず、まるで海外ヴィラのような落ち着きを生みました。

さらに、季節ごとにクッションの色を変える楽しみも。
夏はターコイズ、秋はモカ、冬はチャコール——色の変化で庭の雰囲気も一変します。

家具の色を整えると、家全体の印象が驚くほど“まとまる”のです。
リビングの延長線上に自然が溶け込み、「家の外までデザインされている」という満足感が得られました。


6. 色選びで後悔しないための3つの心得

最後に、色選びのときに覚えておきたいポイントをまとめます。

  1. 「家と家具はセット」で考える
     → 外壁やサッシ、デッキ材との統一感を意識する。

  2. 「中間色(グレージュ・サンド系)」を基準にする
     → どんな建築にも合わせやすく、流行にも左右されにくい。

  3. 「差し色」は小物で楽しむ
     → クッションやテーブルランナーで色を足すことで、飽きずに長く使える。


7. まとめ:色は“感情”をデザインする

ガーデン家具の色は、単なる見た目の問題ではなく、暮らしの心地よさそのものを左右する要素です。

明るい色は開放感を、落ち着いた色は安らぎを。
その日の気分や光の当たり方で、庭の表情は驚くほど変わります。

私は今でも、夕暮れ時にグレージュのソファに座り、オレンジ色の光に包まれる瞬間が好きです。
それは、色を“整える”ことでようやく手に入れた、穏やかな時間。

ガーデン家具を選ぶときは、デザインでも価格でもなく、
「どんな色の時間を過ごしたいか」から考えてみてください。
その答えが、あなたの庭を一番美しく見せる色です。

次の記事 後悔しないガーデン家具選び——色と素材で“リゾートのような空間”をつくる方法
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