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バリアフリー設計に必須!

バリアフリー設計に必須!

バリアフリー設計に必須!

誰もが快適に過ごせるガーデン家具の条件とは?

― 高齢者や障がい者に優しい家具のリアルな選び方と現場の実体験から ―


■「ただ座れる」では不十分。“安全に、気持ちよく”座れる家具が必要です

私は2021年に、ある高齢者福祉施設の屋外中庭スペースのリニューアル設計に携わりました。
依頼の背景は、「天気の良い日にも入居者が外に出たがらない」というものでした。

当初、職員の皆さんも「外に出るのが億劫なのかな…」と考えていました。
ところがヒアリングをしてみると、入居者からはこんな声があがっていたのです。

「ベンチが低くて腰が痛くなる」
「立ち上がるときに手をつくところがない」
「車いすでは座れる場所がない」

つまり、外に出ない理由は“気持ち”ではなく、“物理的な使いづらさ”にあったのです。
そこで私が提案・導入したのが、バリアフリー設計に対応した屋外用のガーデンファニチャーでした。

この記事では、その実際の現場から見えたリアルな課題と、家具選びにおいて本当に重視すべきポイントを、具体的にお伝えしていきます。


■1. バリアフリー対応のガーデン家具が求められる理由とは?

「バリアフリー設計」というと、建物のスロープや手すりを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、屋外空間――特に“座る場所”においても、それと同じくらいの配慮が必要です。

✅ 高齢者・障がい者にとって、こんな家具は「使いづらい」:

問題 内容
座面が低すぎる 腰や膝に負担がかかり、立ち上がれない
肘掛けがない 安全に起立・着座ができない
背もたれが垂直 長時間座っていると疲れてしまう
素材が冷たい・硬い 季節によっては座るのにためらいが出る
障害のある方が使えない設計 車椅子では近づけない、高さが合わないなど

👉 私たちは「見た目にオシャレ」だけでなく、「実際に使えるか」を最優先で考える必要があります。


■2. 実際に改善した福祉施設の屋外スペース

📍 案件概要:

  • 地域:愛知県内の都市部

  • 施設:高齢者向け介護付き有料老人ホーム(定員70名)

  • 対象エリア:中庭スペース(約100㎡)+歩道に面した花壇横の休憩エリア


❌ 改修前の状態:

  • 石造りの背もたれなしベンチが2基のみ

  • 木陰がない → 夏は暑く、冬は冷たい

  • 座面の高さが35cm程度 → 立ち上がるのが大変

  • 車椅子では座れる家具が皆無


🛠 改修後に導入したガーデンファニチャー(例)

アイテム 特徴 数量
背もたれ&肘掛け付きベンチ 座面高44cm/人工木/アルミ脚 4基
車椅子対応ハイテーブル テーブル下高さ68cm/脚が内側配置 2台
ひじ掛け付き1人用チェア 安定設計/滑り止め脚 6脚
日除け付きラタンソファ 撥水クッション/背もたれ10度傾斜 2セット
植栽兼パーテーション 花とグリーンで視界を調整 適宜

■3. 実際に現場で分かった“使いやすい家具”の条件

✅ 座面の高さは【42〜45cm】が基本

  • 高齢者にとって、低すぎると“立てない”

  • 車椅子と並んで座るには、同じ高さが理想

  • 試しに43cmに統一したところ、「立ち上がりやすくて安心」という声多数


✅ 肘掛けは「必須」レベルの重要性

  • 両手で押して立ち上がれる安定感

  • 体の向きを整えられることで転倒リスク軽減

  • 食事や読書の際に“肘を置けるだけ”でも快適性UP


✅ 背もたれの“角度”がリラックス感に直結

  • 完全に垂直だと疲れる → 10〜15度後ろに傾けるだけで休憩しやすい

  • 肩甲骨まで支える形状だと、長時間座っても快適


✅ 素材は「温度変化が少なく、滑りにくい」こと

素材 評価ポイント
アルミ+人工木(WPC) サビにくい/さわっても冷たすぎない/木のぬくもりに近い
ラタン調樹脂 軽い・通気性◎/撥水クッションと併用で快適性UP
樹脂ウッド+クッション付 雨上がりでも拭くだけで使える/メンテナンスが楽

■4. 導入後の反応と変化

📊 施設が記録したデータ(3ヶ月後):

指標 改修前 改修後
屋外スペース利用者(1日平均) 約4人 約19人(4倍以上)
利用時間(平均) 約12分 約32分
転倒・つまずき報告 月1〜2件 0件(3ヶ月連続)
「外に出たい」と回答した入居者 31% 78%

💬 入居者・スタッフの声:

「外の風を感じながら読書できるようになってうれしい」
「肘があるとすごく安心。ひとりで立てるのがうれしい」
「天気の良い日は午前と午後に1回ずつ利用する方も増えました」
「車椅子の方もそのままテーブルを囲めるのが助かる」


■5. 誰もが“外に出たくなる”ためのバリアフリー家具チェックリスト

チェック項目 理由
座面高42〜45cm 高齢者・車椅子利用者にも優しい高さ
肘掛け付き 安全な立ち座りをサポート
背もたれ角度10〜15度 リラックスしやすく、姿勢が安定する
撥水・UV対応クッション 急な天候変化にも対応/メンテナンスが楽
滑り止め付き脚・安定性 転倒リスクを下げる/風にも強い
車椅子でアクセスできるレイアウト テーブル下の高さ・通路幅に配慮

✅ まとめ|バリアフリー空間は、家具の“ほんの数センチ”で変わる

✔ 段差をなくすだけでは、真のバリアフリーにはならない
✔ 「安心して座れる」「またここで過ごしたい」と思える家具が、人の行動を変える
✔ ガーデンファニチャーは、“健康と自立”を支えるツールにもなる

📢 福祉施設・自治体・病院・公園管理者の皆様へ
👉 [バリアフリー対応ガーデン家具一覧・導入事例はこちら(CTA)]

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