口コミ評価を上げる“サウナ休憩スペース”の作り方

口コミ評価を上げる“サウナ休憩スペース”の作り方

〜小さな工夫が「また来たい」に変わる〜

◆ はじめに

サウナ施設の口コミ評価を大きく左右するのは、実は「サウナ室の温度」や「水風呂の冷たさ」だけではありません。
利用者が最後に座る “休憩スペースの体験” が、満足度を決めるケースがとても多いのです。

「休憩中に整ったあの感覚が忘れられない」
「チェアに座って空を見上げるだけでまた来たいと思った」

そんな一言がレビューに書かれれば、自然と評価は上がります。
では、どうすれば口コミで語られる休憩スペースをつくれるのか──。

◆ 1. 改善前のリアルな声

ある地方都市にあるサウナ施設を例に考えてみましょう。

この施設はサウナ室も広く、地下水を使った水風呂も好評でした。
ところが、口コミ評価は「3.5」に停滞。特に休憩スペースに関してはこんな声が続いていました。

• 「外気浴用の椅子がプラスチック製で、夏は熱くて座れない」

• 「数が少なくて順番待ちになる」

• 「雰囲気が殺風景で落ち着かない」

実際に訪れた私も、汗を流して水風呂に入ったあと、外気浴スペースへ向かいました。
けれど並んでいたのは、スーパーの軒先に置いてあるような簡易的な椅子が3脚。
座ってみると固く、風を感じる前に腰が痛くなり、早々に立ち上がってしまいました。
「せっかく良いサウナなのに、最後で惜しい」──その感想は他の利用者とも共通していたようです。

◆ 2. 改善に踏み切ったきっかけ

施設の支配人は口コミを分析し、「サウナ体験を台無しにしているのは休憩スペースだ」と気づきました。
「サウナ室や水風呂は変えられない。でも椅子なら変えられる」
そう考え、家具選びから空間づくりの見直しが始まりました。

◆ 3. 選んだのは“整うことに特化したチェア”

導入したのは、人工ラタンとアルミフレームを組み合わせたリクライニングチェア。
体を横たえると自然に視線が空へ抜ける角度に設計されており、通気性も抜群。

初めてその椅子に座った時、思わず「あ、これは違う」と声が漏れたほどです。
お尻や背中を柔らかく支えてくれ、風が肌をなでる感覚を全身で受け止められる。
10分があっという間に過ぎ、「もう一度サウナに入って、またこの椅子に座りたい」と思わせてくれました。

◆ 4. 雰囲気づくりの工夫も加える

椅子の入れ替えと同時に、スタッフは次の工夫も加えました。

• 観葉植物を置いて、人工的な印象を和らげる

• 夜は間接照明を点灯し、柔らかな光でリゾート感を演出

• 椅子の間隔を広めに取り、隣の人との距離を確保

その結果、外気浴スペースが「ただの休憩所」から「居心地のいいラウンジ」へと変貌。
裸のままでも上質な雰囲気を味わえる空間に仕上がりました。

◆ 5. 口コミはどう変わったのか

リニューアルから数ヶ月後、口コミ欄は次のように変わりました。

• 「外気浴のチェアが最高で、整いやすさが段違い」

• 「空を見上げながら休憩できて、まるでリゾートに来た気分」

• 「清潔感もあり、女性でも安心して使えるスペースだった」

点数は3.5から4.2へ上昇。
「また行きたい」「人に勧めたい」といった声が増え、客数も前年比120％を記録しました。

◆ 6. 口コミ評価を上げる3つの鍵

6-1. 座り心地

口コミで最も語られるのは「座りやすさ」。
体を包み込むラタン調チェアや、リクライニング式の安定感は必須条件です。

6-2. 空間演出

照明・植栽・家具カラーを工夫するだけで、雰囲気は劇的に変わります。
ゲストが「写真を撮りたい」と思えば、それがSNSで拡散され口コミに直結します。

6-3. 清潔感

水洗いやアルコール拭きが可能な素材を選び、スタッフが日常的に清掃できるようにする。
「清潔だった」という感想は、高評価レビューの常連ワードです。

◆ 7. まとめ

サウナの口コミを左右するのは、サウナ室の温度計ではなく、外気浴スペースの椅子だった。
そんな事例は決して少なくありません。

口コミを上げる休憩スペースづくりのポイントは、

1. 整いやすい椅子を選ぶ

2. 空間を「非日常」に演出する

3. 清潔感を徹底する

これだけです。

そして、それを体験した利用者はきっとこう書くでしょう。
「ここは休憩スペースが素晴らしい。だからまた来たい」

それこそが、口コミ評価を押し上げ、施設の未来を支える最大の武器になるのです。