施設の“口コミスコア”を家具で上げるという考え方

施設の“口コミスコア”を家具で上げるという考え方

「宿泊施設の評価を上げたい」「もっと口コミで高得点を取りたい」── そんな願いを持つホテルや旅館の経営者は多いはずです。

しかし、多くの方が注目するのは料理や接客、清掃、サービスの質といった王道の改善ポイント。

──実は、“家具”の見直しで口コミスコアが上がる可能性があること、知っていましたか？

今回は、家具という“ハード面”から口コミ改善につながった事例やポイントを、驚きの視点も交えてご紹介します。

■ 家具は「無言の口コミメーカー」である

口コミには、明確に言語化されるものと、言語化されない“感覚的評価”があります。

家具は後者──つまり“なんとなく居心地がいい”や“雰囲気がよかった”の正体のひとつです。

 たとえばこんな声：

• 「おしゃれで居心地が良い空間でした」

• 「写真映えするベランダが素敵でした」

• 「朝、テラスでゆっくり過ごせたのが印象的でした」

これらの声はすべて、家具の配置や選定が評価に結びついた結果なのです。

■ 口コミスコアに影響する“家具の3大ポイント”

◇ 1. 快適性：見た目だけでなく“座り心地”や“使いやすさ”

ホテルの屋外スペースで「ベンチが固くて腰が痛い」などのマイナスコメントは意外と多い。 → クッション性や背もたれの角度など、快適性は評価に直結します。

◇ 2. 雰囲気作り：統一感があると印象が倍増

バラバラな椅子や褪せた素材は、「古びた施設」という印象を与えがち。 → 統一感と清潔感は、施設全体の評価に波及します。

◇ 3. 写真映え：SNS投稿されると“宣伝”になる

口コミ投稿には必ずと言っていいほど写真が付きます。 → 映える家具＝自然に宣伝になる＝認知＆期待感アップ。

📸まさかのデータ： あるホテルでは、テラスに1脚の白いラタンチェアを置いた結果、 Instagramでの投稿数が1.8倍になり、Booking.comの口コミも平均0.4点上昇しました。

■ “よくある家具”は、印象に残らない

家具を選ぶ際、「業務用だから無難に」「壊れにくければいい」と考える方も多いですが──

無難な家具は、無難な評価しか得られない。

というのが実際のところ。

● “記憶に残る家具”に必要な要素

• 一貫した世界観（和風・モダン・南国風など）

• 自然光との調和（色や質感）

• その場所でしか体験できない「特別感」

💡豆知識： 「ラグジュアリーホテル」と「ビジネスホテル」の家具コスト差は、平均で約4倍ですが、 口コミ満足度の差は2倍以上とされる調査もあります。

■ コストをかけずに印象を上げる方法もある

「高価な家具を導入するのはハードルが高い…」 そんな方にも朗報です。コストを抑えつつ印象を上げる方法も存在します。

◇ 1. ワンポイント家具

→ すべてを買い替えずに、“目立つ1点”を設置。 例：フォトスポットになるラタンチェア、パラソル付きのサンベッドなど

◇ 2. 家具カバーやクッションで印象チェンジ

→ 同じ家具でも、布地やカラーを変えるだけで印象は一新。

◇ 3. レイアウト変更

→ “配置の工夫”で、空間にゆとりと演出力を。 例：あえて斜めに置いて動線に遊びを持たせるなど

🪑まさかのアイデア： 植物と家具をセットで配置すると、 空間全体の心地よさ評価が約20％向上したという観察結果も。

■ 家具で“会話”を生む──それが記憶に残る施設

口コミには“記憶”が必要です。 そして、記憶に残る体験には、必ずと言っていいほど“会話”があります。

「この椅子、変わってるね」 「ここのテラス、写真撮りたくなるよね」

──そうした些細な会話が、 その人の中での“忘れられない宿泊体験”になります。

つまり、

家具は、口コミを“生み出す装置”になれるのです。

しかも、それは設備投資としても“比較的少額でできる改善ポイント”。 他のコストと比較しても、費用対効果は非常に高いのです。

🗣️まさかの効果： ある小規模宿では、1つのサンラウンジャーの導入で、 「またこの椅子に座りに来たい」という口コミが毎月投稿されるようになった事例も。

■ 最後に：施設の“ストーリー”を、家具で伝える

「この施設にしかない世界観を、家具で語る」

その意識があるだけで、 宿泊体験の質も、口コミの温度も、確実に変わります。

“家具”はただの道具ではなく、

施設の魅力を静かに語る「語り手」でもあるのです。

だからこそ、 “選び方”と“置き方”にこだわることで、 「何度でも行きたくなる宿」をつくる第一歩になるのです。