
1泊1万円アップも可能?屋外を“体験価値”に変える家具レイアウト
1泊1万円アップも可能?屋外を“体験価値”に変える家具レイアウト
「庭やテラスって、正直そんなに使われてないんですよね……」
宿泊施設の現場で、そんな声をよく耳にします。
たしかに、建物の外にあるスペースは、運用上の優先度が後回しになりがち。 けれど、そこに“体験の価値”を加えるだけで、客室単価が大幅にアップすることも珍しくありません。
この記事では、**1泊1万円アップも実現可能な「屋外空間の活用術」**を、 “家具レイアウト”という切り口から、実例とともにご紹介します。
■ なぜ屋外空間は「利益を生まない場所」だと思われがちなのか?
まず前提として、外スペースは以下のような“軽視される理由”があります。
-
雨風で劣化するため、メンテナンスコストがかかる
-
インテリアに比べて「効果が見えにくい」
-
宿泊者が使っている様子を把握しづらい
-
スタッフからも「掃除の手間が増える」と敬遠されがち
ですが、見方を変えると“他施設との差別化ポイント”として非常に優秀な場所”でもあるのです。
■ ポイントは「置き方」より「使い方」──家具で演出する“過ごし方”
屋外空間で最も大切なのは、そこに「どんな体験を生むか」が明確であること。
ただ家具を並べただけでは、空間の印象は変わりません。 「そこで何ができるか」「どう過ごすのが心地いいか」までを家具の配置で“語る”必要があるのです。
たとえば──
-
ダイニングテーブルがあれば「食事体験」
-
ローチェア+照明なら「語らいの時間」
-
ハンモックやクッションなら「読書や昼寝の空間」
🌿豆知識: “家具は設備”ではなく“体験のきっかけ”。 屋内と違い、家具の配置次第で“空間の意味”が変わるのが屋外の特徴です。
■ 実例①|1泊単価+12,000円を実現した「星空ダイニング」
ある高原リゾートでは、夜間にだけ解放する専用テラス席付きのスイートルームを設計。
・ラタンのダイニングセット(耐候性あり) ・足元にLEDキャンドルと間接照明 ・地元ワイナリーのボトルとペアグラスを設置 ・「星空を楽しむためのBGM」としてBluetoothスピーカーを常備
この取り組みにより、客室単価が12,000円上昇。 宿泊者満足度アンケートでは「この体験のために来た」と答えた割合が6割以上に。
💡豆知識: 屋外の“夜”は演出の宝庫。光の配置・座る高さ・音の設計で非日常を創れます。
■ 実例②|連泊率が2倍に!「朝のラウンジベンチ活用術」
ある和モダン旅館では、庭園に面したテラスにラウンジ用ベンチ+小テーブルを設置。
・朝の時間帯限定で「本とコーヒー」の無人カフェを演出 ・和紙ランプを置いて柔らかい日差しを補助 ・読書用ブックスタンドとクッションの貸出も実施
結果、滞在中の過ごし方の選択肢が増え、連泊率が2倍に。 「外で過ごす時間が癒しだった」という声も多く寄せられました。
📘豆知識: “無人対応”でも価値は作れる!家具と簡単なアイテムの組み合わせで空間演出は十分可能です。
■ 面積別レイアウトアイデア|体験の幅が変わる!
面積の目安 | 家具構成(例) | 体験の種類 |
---|---|---|
約2畳 | 折りたたみチェア+サイドテーブル | 朝のコーヒー/夕暮れの一杯 |
約4畳 | ローチェア×2+照明+ラグ | 夜の語らい/昼寝/リフレクション |
約6畳以上 | ダイニングセット+パラソル+植栽 | 星見ディナー/朝食体験 |
🌞豆知識: “狭さ”はマイナスではなく“体験を絞る”プラスに転換できる! 「これができる空間」と明示したレイアウトが鍵になります。
■ 家具選びのチェックポイント|体験価値を下げないために
価格よりも重要なポイントがあります。
-
耐候性とメンテナンス性(劣化しにくい素材選び)
-
空間との統一感(内装との“つながり”を意識)
-
移動しやすさと安定性(スタッフの運用効率も考慮)
-
防犯性・設置固定方法(風で飛ばない/盗難防止)
🛠️豆知識: アルミ×ラタン、合成木材×ファブリックなど、異素材MIXは高級感と実用性の両立が可能です。
■ 利用率UPのひと工夫|「どう使うか」を伝える工夫
家具を置いたあと、どのように使うかを利用者に伝える仕掛けがあると、効果は倍増します。
-
館内マップに「星空スペース」「朝の読書席」などの表記
-
部屋に置く小冊子で体験方法を紹介
-
QRコードで動画・SNS投稿例に誘導
🎯豆知識: お客様は“使い方をイメージできたとき”に、その空間を「自分ごと化」します。
■ 最後にひとこと──“屋外”は、最大の資産になる
見落とされがちな屋外スペースこそ、 “非日常”を演出する舞台としてのポテンシャルが高い場所です。
家具を単なる道具としてではなく、“体験をデザインするツール”として扱えば、 そこには1泊1万円以上の価値が生まれることもあります。
次にガーデン家具を検討する際は、 「何を置くか」ではなく「何をしてもらいたいか」から考えてみてください。
そこが、宿の価値を一段引き上げるスタート地点になるかもしれません。
コメントを残す