
建築設計事務所の外家具の選び方
建築設計事務所の外家具の選び方
〜空間価値を高めるディテールとしてのガーデンファニチャー〜
◆ はじめに
建築設計事務所にとって、外構やエクステリアのデザインは建物全体の完成度を左右する重要な要素です。
外観や庭の計画において、**外家具(ガーデン家具)**は単なる備品ではなく、**空間価値を高める“最後の仕上げ”**として機能します。
「建物と調和する家具をどう選ぶか?」
「屋外環境に耐える素材をどう見極めるか?」
「クライアントに納得してもらえる提案は何か?」
今回は、設計者が知っておきたい外家具選びのポイントを、具体例とともに整理します。
◆ 1. 建築デザインと外家具の“調和”を意識する
外家具を選ぶとき、まず考えるべきは建物のデザインコンセプトとの整合性です。
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モダン建築 → 直線的でシャープなアルミやスチールフレームの家具
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和モダン・数寄屋建築 → 天然木やラタン調の落ち着いた家具
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リゾート住宅や商業施設 → ゆったりとしたソファセットやサンラウンジャー
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都市型オフィスビルの屋上テラス → コンパクトでスタッキング可能なカフェチェア
外家具は「浮かないこと」が前提。建物と一体感を持たせることで、クライアントに「空間が完成した」という満足感を与えられます。
◆ 2. 耐候性とメンテナンス性を最優先に
設計事務所が提案する際に外せないのは、屋外環境に耐える家具かどうか。
紫外線・雨風・温度差といった厳しい条件にさらされるため、素材選びが重要です。
代表的な素材と特徴
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PEラタン(人工ラタン):高級感と耐久性を両立。ホテルやリゾートで定番。
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アルミフレーム:サビに強く軽量。清掃やレイアウト変更も容易。
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ステンレス:重厚で長寿命。公共施設や高級案件に向く。
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チーク材:経年変化も味わいになる天然木。ただしメンテナンス必須。
「導入コスト」だけでなく「維持コスト」を見据えた選択が、クライアント満足につながります。
◆ 3. 空間用途に応じた外家具の選定
住宅案件
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テラス → 家族用ダイニングセット
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バルコニー → コンパクトな折りたたみチェア
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庭 → ゆったりソファセットで“アウトドアリビング”を演出
商業施設・宿泊施設
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ホテルプールサイド → サンラウンジャー、日差しに強いファブリック
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スパ・温浴施設 → 水洗い可能なリクライニングチェア、丸洗い対応素材
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カフェ・レストランのテラス席 → 軽量で移動可能なカフェチェア
オフィス・公共施設
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屋上庭園 → メンテナンスフリーなアルミや樹脂系家具
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共用スペース → スタッキング可能で数を柔軟に調整できるモデル
◆ 4. 利用者視点での安全性と快適性
設計者が忘れてはいけないのは、実際に座る人の体験です。
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安全性 → 角が丸いデザイン、滑りにくい座面、転倒しにくい重量バランス
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快適性 → クッション性、背もたれ角度、通気性の良さ
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衛生性 → アルコール拭き可能、水はけがよくカビが発生しにくい構造
建築の仕上げにこだわるように、家具も“ディテールの精度”が求められます。
◆ 5. クライアントに響くプレゼンの工夫
外家具は建物と比べると脇役に思われがちですが、プレゼンで差をつける武器になります。
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3Dパースに家具を組み込む → 完成イメージを強化
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実例写真を提示 → 実際のホテル・住宅での使用シーンを見せる
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維持管理費の試算を提示 → 「長く使える」安心感を与える
「家具まで提案してくれる設計士」は、クライアントから高い信頼を得やすいのです。
◆ 6. 将来の変化を見越した選択
建物と同じく、外家具も10年先を見据えた計画が必要です。
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将来家族構成が変わる場合 → モジュール式で組み替え可能なソファ
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利用者数が変動する商業施設 → スタッキング可能なチェア
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メンテ人員が限られる公共施設 → ノーメンテ素材の家具
「今」だけでなく「未来の使い方」にも柔軟に対応できる家具は、設計提案として説得力が増します。
◆ まとめ
建築設計事務所が外家具を選ぶ際に押さえるべきポイントは以下の通りです。
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建物デザインとの調和
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耐候性・メンテナンス性
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空間用途ごとの適切な選定
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利用者視点での安全性・快適性
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プレゼンでの具体的提案
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将来の変化を見据えた柔軟性
外家具は「空間を完成させるディテール」であり、建築デザインを引き立てる重要な要素です。
設計者が外家具まで丁寧に提案できれば、クライアントにとって「満足度の高い設計事務所」として評価されるでしょう。
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