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クライアントから 「センスがいい」と思われる提案術

クライアントから 「センスがいい」と思われる提案術

クライアントから

「センスがいい」と思われる提案術


■ 「センスがいいですね」と言われたこと、ありますか?

住宅でも、店舗でも、施設でも。
設計や空間提案をしていると、最終的に求められるのは、「納得感」ではなく、「感動」です。

もちろん、予算内に収めること。
安全性や機能性を満たすこと。
それはプロとして、やって当たり前のこと。

でも——
クライアントの心を本当に動かすのは、“あ、この人、センスいいな”と思わせる瞬間です。

今回は、いくつもの現場で実際に「センスの良さが契約に繋がった」と評価された提案例を交えながら、
設計・空間演出の中に“センス”をどうにじませるか
その考え方と技術を、できるだけ自然な語り口でお伝えしていきます。


■ 「センスのよさ」は“足し算”では生まれない

まず誤解されやすいのですが、
「高級な素材を使えばセンスがいいと思われる」というのは違います。

同様に、「流行りのスタイルを取り入れたからセンスがある」というのも、ちょっと違う。

むしろ多くの場合、「よくある感じ」「見たことある感じ」になることの方が多いのです。

では、センスがあると感じさせる提案とは何か?
それは、クライアント自身がまだ言葉にしていないニーズや理想を、
“先回りして見せてあげる”ことだと思うのです。


■ 実例1:なにもない中庭に“ただ一脚の椅子”

📍【郊外の戸建て住宅/40代ご夫婦】

建物と外構の打ち合わせも終盤。
中庭スペースに関しては「子どもが遊べれば十分」という希望でした。

しかし設計担当者は、そこに1脚だけのローチェアと、控えめなオリーブの鉢植えをCGに入れてみました。

すると、ご夫婦の奥様がこう言ったそうです。

「この椅子、いいですね。これがあるだけで、庭の意味が変わりますね」

それまで「遊び場」だった庭が、
「一人でホッとする場所」としてのイメージを持ち始めた瞬間でした。

この感覚のズレを提案で埋められる人が、“センスのある人”として記憶される。


■ 実例2:「使い方まで想像させる」家具提案

📍【モデルハウスのテラス/建売住宅販売会社】

限られたスペースでも魅力を伝えたい。
でも、どの現場も似たような外構ばかりで差がつかない。
そんなときに採用されたのが、コンパクトなガーデンソファ+ラグ+照明のセット提案

単に家具を置いただけでなく、提案資料には——

  • 「平日の夜、ここで夫婦でワインを一杯」

  • 「休日、子どもと一緒に朝食をとる場所として」

  • 「友人が来た時、ちょっと腰かけて話せる空間」

そんな過ごし方のコメントが添えられていました。

結果、この物件は内覧者のアンケートでも「暮らしが想像しやすかった」と高評価。

センスがあると感じさせるのは、見た目の“装飾性”より、暮らしの“リアリティ”を添えること。


■ センスがある提案に共通する「空気感」

さて、これまでの事例に共通していたのはなんだったでしょうか?

✅ スペースを“埋めすぎていない”

—— 余白をあえて残し、「想像の余地」を演出

✅ 置かれた家具が“場を決めている”

—— たった1つの椅子でも、「ここに座りたくなる」が生まれている

✅ 使い方が“自然と伝わる”

—— 「何のためにここがあるのか」が、説明なしで伝わる

言い換えるなら、“センスのある空間”とは、人の動きや感情に自然に寄り添っている空間なのです。


■ どうすれば“センスのよさ”は伝わるのか?

ここで、実際に私たちが心がけている4つの小さな工夫をご紹介します。

①「一歩先」を描く

クライアントが“ここまでできればいい”と思っている線の、
ほんの半歩〜一歩先の絵を見せてあげる

たとえば——
デッキだけでなく、ソファとランタンを配置した状態で見せる。
ただの植栽配置だけでなく、そこに座って本を読むシーンを想定する。

これだけで、「センスがあるね」が生まれやすくなります。


② 家具を“使う視点”で置く

デザインだけでなく、「人が使う前提」でレイアウトする

・距離感は取りすぎていないか?
・隣に小さなテーブルは必要ではないか?
・陽の入り方、風向きに対して自然な向きか?

そうした配慮が、無意識の納得感=センスのよさに直結します。


③ 素材感に“温度”を足す

人工的なものだけで構成された空間には、どこか無機質さが残ります。

クッション、ウッド素材、ファブリック、観葉植物など、
視覚・触覚に訴える「温かみのある素材」を一点加えるだけで印象は変わります。


④「ここが好き」と思える場所をつくる

家や店舗において、“そこにいる理由”が生まれる場所は記憶に残ります。

「この場所が好き」と思わせられたら、
その設計は、クライアントの中で“センスのいい提案”として残ります。


■ 最後に|“センスのよさ”は誰のためにある?

「センスがある」と言われることは、
自己満足のためではありません。

それは、クライアントが「この人に任せてよかった」と感じるきっかけであり、
設計や提案が、心に残る“ストーリー”に昇華される瞬間なのです。

あなたが描いた空間に、
誰かが自然に腰かけて、笑って、長居して、
「やっぱりこの空間、好きだな」と思ってくれるなら——

それは、最高の“センスの証明”です。


📌 参考提案アイテム(ガーデンファニチャー活用例)
・人工ラタン製ローチェア+サイドテーブル(2点セット)
・撥水クッション付きミニソファセット
・コンパクトサイズのLEDランタン+ラグ演出
・即納対応・法人向け請求書対応可能

\「おっ、センスいいね」から始まる信頼があります。/
あなたの提案に、もう一歩先の“空気感”を。

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